2011/11月26日
参加者 17名 (当事者13名 家族等4名)
テーマ:家族にどう対応してもらいたいか。
★あずきさんショートスピーチ
こんにちは。鈴鹿市から来ました、あずきと申します。
今日は『家族にどう対応してもらいたいか』というテーマで少しお話をしたいと思います。
現実には、診断時の本人の状況や状態が様々であるのですが、私の経験上、
『本人が、自分を肯定的に捉えることができるような対応』が一番重要だと思います。
『普通は』とか『常識は』という言葉をつい使ってしまいがちですが、実はこうした言葉かけは、本人にとって『普通』や『常識』が何なのかわからず混乱を招くことになります。
1、『ところ変われば品変わる』。
普通や常識も、人それぞれであることを思い出して、その子の『普通』や『常識』というものに、まず目をむけてほしいです。それは違うけど、と思っても、できるだけ本人に寄り添う。本人、家族の間に信頼関係ができ、これが先々、本人にとって大きな支えとなりうると思います。
2、いわゆる自己肯定感の低さは、何を続けるにも妨げになります。
進学をしても、就職をしても、すぐにつまずいて続かない、という結果になってしまいます。本当に、社会へ出て子どもがドロップアウトしたり、困らないようにしてあげたいなら、この自己肯定感をしっかりと根付くようにしてあげてほしいと思うのです。
3、本人の強み、よさ、が何かを見出してあげる
ただし、天才的な何かでなくても良い、と考える
対人スキルをある程度身につけるにおいて、『こういう部分』なら定型に近い能力がある、でもいいし、『こういう能力』なら伸ばしていける、でも十分です。例えば無表情だけど、趣味の話ならとことん話せるなら、『一方的に話すでなく、相手の反応を見ながら話すようにしてみる』ことで、生きやすくなると思います。
単に愛想がいいだけでも、空気をある程度なら読める、表情をある程度相手に合わせることができるなら、これも強みだと考えていいと思います。
4、対人スキルについて
対人関係は必ずどの職種でもついてまわること。相応に対人スキルは身につけておくに越したことはないです。こうした対人スキルを身につけるのは、本人の感じ方が間違っているから矯正するのではなくて、本人が生きやすくするために身に着ける、と考える。
5、対人スキル〜当事者さんに向けて、私が工夫しているこんなこと
対人スキルを身につけるための『ノウハウ本』みたいなものはいろいろ出ているので、それらを参考にするのも良いと思います。実行できなくても読むだけで、かなり参考になります。私は人と会話するとき、次のような工夫をしています。
話すときは、向かい合って話をしないで、横に並んで話すと話しやすい。
視線は、相手をじっと見るのではなく、時々あわせて、時々目をそらすようにする。
『できること』からクリアしていく。会話なら『聞き役』に回る。私はついうっかり失言から誤解を受けやすいタイプだと思うので、自分から話題を振ったり、話に突っ込んだりしないようにしています。
表情を読んだり、表情で返したりするスキルは上級クラスと考えても良いと思います。
表情で一番実行しやすいのが『笑顔』。特に挨拶のときは、笑顔にすると印象が良い模様。
会釈のときも、ほんのり笑顔のほうが印象がいい。
さらに、上手に謝れるといいけれど、謝るというのも実は難しい。(謝りすぎても嫌味だと思われたりするので)
6、まとめ
何か『強み』があると、ちょっとのことは許される部分は多々ある、ということを覚えておくといいと思います。
★ディスカッション
◆みーグループ===================
■Aさん(家族〈親〉・女性)
・本人に、自己肯定感を根付かせてあげること(家族の対応)が大切だと感じる。
現在20代の息子(当事者)は、自信がなく、引いてしまうところがある。
■Bさん(当事者・女性)
・父親との関係に悩んでいる。父親が高慢に見える。
時間の使い方も違って、うまく距離が取れない。
→衝突を避けるためにも、今は父親とは“物理的に”距離を取ることにしている。
同居中だが家の中でもなるべく出会わないように、食事や外出などのタイミングをずらしたり。
→そのために母親など他の家族にも協力してもらっている。
■Cさん(家族〈親〉・女性)
・それぞれ悪気はないのだが、お互い感覚のズレがあって、理解し合えないところがある。
・それぞれの考えを表に出し合わないとわからない。
→たとえぶつかっても、そうやってお互いに「考える」ということをしないと、関係を修正していけないのかなと感じる。
・子供が自分を表現するまでの時間を待ってあげていなかったのかなぁと反省するところがある。
もっとゆっくり、子どもに自分の気持ちを出させてあげられるようにしてあげないといけないなぁと、日々模索中。
■Dさん(当事者・女性)
・聴覚過敏のため、生活の中で家族の出す音(食事中のくちゃくちゃ食べる音、新聞をめくる音etc.)が気になる。
→違う時間に食事をとるように。
・25歳の時、診断を受ける。それまで自分をダメ人間と思ってきた。家族にもそう思われてきた。
・2次障害で統合失調症があるが、やはり2次障害はないほうがいいなとつくづく思う。
→そうなるまでに、もっと自己肯定感を育める環境や対応があればよかったなと。
■Eさん(家族〈パートナー〉・男性)
・アスペルガー当事者と一緒に生活を始めたところ。
・自分も統合失調症で闘病中なので、疲れが自覚しにくく頑張りすぎてしまうので、
お互いに頑張りすぎないよう、ヘルパーさんをお願いするなど検討中。
・目に見えない障害・病状だから、親に理解されず、
「やればできる」「障害・病気のせいにするな」といわれる。
身内でも話を聴いてくれない。
■Fさん(家族〈親〉・女性)
・19歳の娘が発達障害、2次障害もあり、家に引きこもりがち。
・当人(娘)と会話が少ない、続かない。かみ合わない。
こちらが訊いたことと違うことを言ってきたりするので、
「そんなこと訊いていないのに……」と、こちらもそれ以上言葉が出なくなってしまう。
<当事者からの意見>
→・そういうときは、ハッキリと言ってあげたほうがいい。
「訊いているのはそういうことじゃない。○○を訊いているんだけど……」と。
・娘が自分(母親)に依存して甘えてくるが、当人は加減や限度を知らないので、適度なところでやめてくれない。
→自分も仕事から帰ってきて食事も作らなければいけないしで、忙しいし疲れているし、こちらもキレてくる。
→そうすると、娘もパニックになってキレる。悪循環。
<当事者からの意見>
→・そういうときも、ハッキリと言ってあげたほうがいい。
「いま疲れているから(忙しいから)、今はやめて」「話はご飯の後で聴くから」とか。
ハッキリ言われないと気づかないから、当事者は。
・我慢して付き合ってはいけない。家族にも限界が来てしまう。
・当人は、(人並みのペースよりも)答えるのに時間がかかるんだということがわかってきた。
→当人が考えを言葉にするまで、「待つ」ということを最近するようになった。
<当事者からの意見>
・19歳の娘さんだったら、まだこれから発達してくると思いますよ。
自分もいま20代半ばだが、19歳の時はまだまだわかっていなくて、今になって自覚してきて謝りたいこと(相手)がたくさんある。
■Gさん(当事者・女性)
・36歳の時にアスペルガー症候群だと診断を受けた。
・30代後半くらいから(社会で疲れ切って戦線離脱し、いったん引きこもって、落ち着いた時間ができてから)、
自分のしでかしてきたことを客観的に見つめられるようになってきて、
なぜ周りとうまくいかなかったのか周りを困惑させてきたのか、
自分の恥を自覚できるようになってきた。
→発達障害の人は、世間一般にくらべて、成長のペースが遅い(でも成長はする!)。
・家で、常識的なことをあまり躾けてこられなかったので、社会に出てから恥をかいて困った。
非常識な言動で周りを困惑・憤慨させたりして、人間関係でいつもつまづいてきた。
→今思うのは、私たちは、定型発達者のように自然と常識的な言動が身に付くようにはならないので、
★“常識”を細かいことからちゃんと口に出して、じっくり教えてもらえていたらよかったなぁと感じる。
例)
・清潔な身なりを心がけること(自分が周りからどう見られているかに疎いため、身なりをおろそかにしがち)。
・周りに目が行かない(視野が狭い)障害で、協調性運動障害もあるので、
周りに気を付ける(遣う)ことができず、今でもつい他人にぶつかりそうな危ない動きをしてしまう。
→道路交通法などのルールも、小さい時から躾けてもらいたかった。
・感情のコントロール機能が弱いので、とくに幼いころは(今でもだが)、
自分の思い通りにならなかったときにヒステリーを起こしがちだったが、
そのつど家族からは「こいつはキチガイだ」と冷たく見放されてきた。
→とりあえずある程度感情を吐き出して少し時間をおけば、落ち着いてくるので、
★それまで待ってほしかった。
単純に「わがままでヒステリーなどうしようもない奴」とすぐにばっさり切り捨てずに、
こちらの感情が落ち着くまで、待ってほしかった。
★もっと自分のことを観察してほしかった。
「この子は感情を落ち着かせるまで、普通よりも少し時間がかかる子なんだな」と理解してほしかった。
・理解されない(邪悪な奴だと誤解される)ことで、よけいに落ち着けずにヒステリーを起こす……
という悪循環だった。
・とにかく自分のことを(良い子だと)信じてほしかった。自己肯定感を育ませてほしかった。
◆狸穴猫グループ=====================
―失敗を家族から責められることで自信を失くしていったように思う。
―こないだのNHKの番組でもやってましたけど、"ふつう"って一体何なんでしょう?スピーチにもあったように"ふつう"には自分の"ふつう"と世間の"ふつう"があるように思います。
― 一生懸命世間の"ふつう"に合わせようと頑張って来たのに家族からも周囲からも認めてもらえなかった。
―専門学校でいじめられとったのを親に言えなかった。嫌なことがあると家族からも社会からも回避してしまう。今は多少向かい合えるようになったけど。
―兄が教員だから、発達障害にまあまあ詳しい。情報を得るために話すけど、本当は性格が合わない。
―反社会性行為をする人も平静を保とうとしてそういう行動に出る。自分達も同じやと思う。いずれも世間には理解されることはないけれど。
―前のダンナもアスペやったけど、自分の"ふつう"とダンナの"ふつう"が違ったから離婚することになった。実家に帰ったら母親と絶えずぶつかった。でも、再び家を出ると"もうこの人はこんなんやからしゃーないんや"と、スルーできるようになって多少落ち着いた。
―私も離婚した時が一番母親と揉めたね。小学校の頃から信用ならんかった。何にも世話をしてくれなかったのに、過度に心配して口出ししてくる。でも、ある程度年を取って"この人に期待してももう無駄だと割り切ったら少し落ち着いた。"
―祖母と合わなかった。友達が出来ない私に"友達作るまで家に帰って来るな!"と言って公園に置き去りにされたことがある。今思えば私を型にはめようとしていたのかもしれない。
―"そんなんやからちゃんとできへんねん。普通にしぃ!"って言われても理解出来ない。もっと具体的に注意して欲しかった。
―当事者でも定型でも家族の認知特性というのを把握し合えてるほうが家族としてやっていきやすいのではないだろうか。
―"またやってる"ってお互い気にしないことも大切かも。
―私たちは今、その時の事を注意されているに過ぎないと捉えるけど、身内や職場で定型の人は今までの私たちの失敗もしっかり覚えていて、そこも含めて注意してくる。時系列の捉え方が違うから、注意の意図を読み間違えて、また注意されてしまう。
―障害児を生んでしまったという自責の念から葛藤も生まれるのかもしれない。
↓
★お互いの特徴をよく観察して客観的に理解し、認め合える家族関係であるなら当事者の自己肯定感も育っていくのではないだろうか。
=======================
以上
テーマ : 発達障害
ジャンル : 福祉・ボランティア